喉周りに力が入ってしまって、歌いにくさを感じた事はありますか?
特に初心者の方は、無意識に力が入ってしまい、思うように声が出ないことがあるかもしれません。
ここでは、声をリラックスさせて、自然で楽に発声するための練習方法として
- リップロール
- ペットボトルストロー
- スライド発声
の3つを紹介します。
これらの3つの方法は、いずれも喉を痛めるリスクの少ない練習方法です。
ぜひ自分に合っている練習方法を取り入れてみてください。
これらの練習は長時間ではなく、10分間の練習でも効果が期待できます。
毎日少しずつでもいいので、継続して練習することが大切です。
毎日のルーティーンとして取り組むことで、無理なく声を出せる発声方法を手に入れましょう。
リップロールの練習方法と効果
リップロールは、気軽に誰でもできる効果的な練習方法の1つです。
プロの歌手や声優にも、リップロールを毎日のルーティーンとして取り入れている人も多く、リップロールは多くのジャンルで支持されています。
リップロールとは?
リップロールとは、唇をブルブルと震わせながら、声を出す練習方法です。
音階に合わせてリップロールをすることで、発声のウォームアップや喉のリラックス、呼吸コントロールの向上などが期待できます。
リップロールの効果
リップロールには、次のような効果があります。
喉のウォームアップやクールダウン
リップロールは喉に負担がかかりにくいので、リラックスして発声しやすい練習方法です。
歌う前にリップロールをすると、声が出しやすくなるだけでなく、喉を痛めるリスクも軽減できます。
長時間歌った後のリップロールは、クールダウンとして、喉のケアにもなります。
呼吸のコントロールに役立つ
リップロールは、唇に一定の息の圧力を保ち続けないと、うまく発声することができません。
リップロールが上手にできるようになると、歌唱時の息をコントロールしやすくなり、呼吸が安定しやすくなります。
腹式呼吸を意識しながらリップロールをすると、より歌唱時に近い感覚で練習できるでしょう。
音域が広がる
リップロールは、リラックスして声を出しやすいため、簡単に幅広い音域を行き来できます。
低音から高音までスムーズに無理なく移行する感覚も掴みやすいでしょう。
このリップロールの感覚を歌唱時にも活かすことで、歌唱時の音域が少しずつ広がっていきます。
無理のない発声の習得
リップロールは、喉を締め付けずに、無理のない発声の感覚を掴むのにも適しています。
リップロールが上手にできるようになるだけで、実際の歌声が改善されることもあります。
喉に力が入りやすい人は、ぜひとも取り入れたい練習方法です。
リップロールの練習方法
リップロールの練習方法を紹介します。以下のステップを参考に練習してみてください。
身体をリラックスさせる
リップロールをするときには、喉だけではなく肩や首、胸周りも力を抜いてリラックスするようにしましょう。
背骨も自然な状態で伸ばして、猫背や反り腰にならないようにします。
唇を軽く閉じる
唇は震えやすいように、軽く閉じます。
もしブルブルとうまく震えないのであれば、息の吐きすぎや口周りの力み、その他の場所の力みなどが考えられます。
息は柔らかく吐き、激しくならないようにしてください。
唇がブルブルと楽に震えるようになったら、きっとリラックスしている状態ができているはずです。
音階を歌いながらリップロールをする
唇が楽に震えるようになったら、実際に音階を使ってリップロールの練習をします。
低音から高音まで(地声の音域から、裏声の音域まで)を行き来するような、広い音域での練習がオススメです。
地声が出しにくい人は裏声から、裏声を出しにくい人は地声から、まずはリップロールを始めてみてください。
毎日の練習にリップロールを取り入れる
リップロールが苦手な人でも、練習を続けていけば、ほとんどの人が上手にできるようになります。
リップロールは様々な効果が期待できる一方で、リスクはあまりありません。
ぜひ日々の練習に取り入れてみてください。
ペットボトルストローの練習方法と効果
リップロールと同じように、ペットボトルストローのトレーニングも、気軽に取り入れられる練習方法の1つです。
負担のかかりにくい練習方法ですが、練習しすぎると悪い癖がついてしまうこともあります。
デイリートレーニングとして取り入れられる練習方法ですが、まずは練習時間はほどほどの長さにしておきましょう。
ペットボトルストローの練習方法
ペットボトルストローのトレーニングは、ペットボトルに水を入れて、ストローを挿して、声を出す練習方法です。
用意するもの
まずは500mlのペットボトル(中に半分ほど水が入った状態)と細めのストローを用意します。
ストローをペットボトルに挿す
ペットボトルの水にストローを差し、ストローの先端が水につかるようにします。
ストローが浅すぎると抵抗が小さすぎ、またストローを深く差しすぎると抵抗が大きすぎるかもしれません。
最適なストローの深さに調節しましょう。
声が出しにくい人は、浅めにストローを挿すことがオススメです。
息を吐きながら、声を出す
ストローを軽く加えて、ゆっくりと息を吐きながら声を出します。
リラックスした状態で声を出したいので、唇や首周りなどに余分な力が入らないようにしましょう。
腹式呼吸を意識して声を出すと、より歌唱時に近い実践的な練習ができます。
息は吐き続けて、途中でぶくぶくの泡が途切れないように意識してください。
音階や曲を使って練習する
ストローを使って、上手にぶくぶくと声を出せるようになったら、実際に音階や曲を使って練習します。
簡単なメロディーでも効果はありますが、徐々に音域を広げていくと効果をより感じやすいでしょう。
ペットボトルストローの効果
ペットボトルストローのトレーニング効果は、以下のようなものが期待できます。
喉への負担が軽減される
ストローを通して声を出すと、喉への負担が軽減されます。
喉を傷つけない長時間歌える発声方法へのアプローチ手段として活用できるでしょう。
呼吸のコントロール練習になる
ペットボトルストローは、一定の息の量を吐き続ける練習になります。
それによって、呼吸のコントロールがしやすくなり、安定した発声を獲得しやすくなります。
音域が広がる
ペットボトルストローで広い音域が行き来できるようになると、実際の歌声でも音域が広がりやすくなります。
ペットボトルストローの方がリップロールよりも実践に近いため、より練習効果は期待できます。
無理のない発声方法の習得
これもリップロールと同様の効果を期待できます。
ペットボトルストローも喉に力が入りにくい練習方法です。
発声の癖を改善するのに役立つでしょう。
地声と裏声のスライド発声の練習方法と効果
地声と裏声のスライド発声練習は、地声と裏声の切り替えをスムーズにするための練習方法です。
声の柔軟性や安定性を高める効果があり、音域を広げるための準備練習としても使えます。
地声と裏声の違い
地声
地声は、胸に響きを感じることからチェストボイスとも呼ばれます。
低音域から中音域で使われる声で、話し声も一般的に地声が使われます。
バランスの良い地声は、声帯がしっかりと閉じて振動しています。
裏声
裏声は、頭に響きを感じることからヘッドボイスとも呼ばれます。(ヘッドボイスの概念は諸説あり。)
主に高音域で使用される声で、純粋な裏声では声帯は固まって振動しておらず、声帯粘膜が振動しています。
裏声は一般的に地声に比べて軽くて柔らかく、息をたくさん使う声です。
スライド発声の練習方法
リラックスした身体の状態を作る
喉や首周りの力を抜き、肩や胸などもリラックスさせます。
低音から高音へ声をスライドする
地声で「ウー」や「アー」などで声を出し、そこから裏声に向かって声をスライドさせていきます。
なるべく低い声から始めて、できるだけ高い音で持っていきましょう。
音程をゆっくりと上げていって、切り替えがわからないように、なめらかに裏声に移行するように意識してください。
高音から低音へ戻る
最後に高い音から、元の地声の低音へ戻ってきます。
こちらも同様に地声と裏声の切り替えがわからないようにスムーズに移行することがポイントです。
スライド発声の効果
歌声が柔らかくなる
スライド発声がうまくできるようになると、声帯の柔軟性が高まり、歌声が柔らかくなります。
また余計な力も入りにくくなるので、喉が疲れにくくなるでしょう。
表現力が向上する
スライド発声は、声のコントロールにも好影響を与えます。
声の自由度が高まるので、自分の思い描いている表現をしやすくなるでしょう。
まとめ
これらの3つの方法は、いずれも手軽に練習できるものです。
間違った方法に進みにくい練習方法なので、独学でのボイストレーニングメニューに付け加えるのもオススメです。
当ボーカルスクールでも、これらの練習方法は積極的に取り入れています。
群馬県太田市でレッスンをしていますので、ご興味のある方はお問い合わせください。