あくびのように歌う練習方法は、効果的で気軽に取り組めるボイストレーニングの1つです。
あくびの喉の状態を歌に活かすことができれば、喉の負担は減り、響きのある声を楽に出せるようになります。
しかし、あくび自体をうまくできない人も少なくありません。
あくびをした結果、反対に力んでしまうこともあるのです。
そこで今回は、あくびの感覚をよりスムーズに身に付けるためのポイントをいくつか紹介します。
あくびのテクニックをしっかりと習得して、歌声をさらに美しく変えていきましょう!
あくびの効果
あくびには、主に3つの以下のような効果があります。
- 口の奥のスペースが広がり、豊かな音色に変わる
- 喉がリラックスし、歌っても疲れにくくなる
- 呼吸が深くなり、腹式呼吸をしやすくなる
いずれも、歌が上手くなるための重要な要素です。
これらの効果を1度で手に入れられるため、多くのボイストレーナーがあくびを推奨しています。
これらの効果を実感して、実際に歌声に取り入れていきましょう。
豊かな音色に変わる
あくびをすると、口の中や喉などの共鳴空間が広がり、声がより多くの空間で響くようになります。
その結果、歌声は柔らかく豊かな音色に変わります。
歌っても疲れにくくなる
あくびの動作は、喉を自然に開けてくれて、余計な力が入りにくくなります。
また、あくびは喉だけではなく、顔や首、肩の緊張もほぐしてくれます。
発声に使われる筋肉のバランスが良くなり、無駄な負担がなくなることで、長時間歌っても疲れにくくなるのです。
また、無理に力を入れなくても豊かに響く声が出るので、必要以上に声を張り上げなくなります。
腹式呼吸をしやすくなる
あくびをすると、喉や胸が広がり、上半身がリラックスします。
この状態で呼吸をすると横隔膜が反応しやすくなり、深い腹式呼吸をしやすくなります。
腹式呼吸には、横隔膜の自然な動きが欠かせません。
あくびをする動作が、横隔膜を自然に下げる動きを生み出してくれるのです。
あくび声をうまく出すための7つのポイント
ここでは、あくびがうまくできない人のために、成功するための7つのポイントを紹介します。
一つ一つ丁寧に確認して、声の変化を確かめてみてください。
大きな声を出しすぎない
あくびはリラックスして豊かな声を出すトレーニングです。
無理に大きな声を出そうとしたり、喉に力を入れたりしないように意識しましょう。
無理をして大きな声を出すと、喉周りに力が入りリラックス効果が半減してしまいます。
息をゆったり流しながら、喉が開く感覚を大切にしてください。
ふわっとした感じで、優しく声を出しているのに「響きのある豊かな声が出ている」のが理想的です。
びっくり顔トレーニング
びっくりして、ハッと息を吸ったときの表情を思い浮かべてみてください。
目はパッチリと開いて、口も自然に大きく開いている状態です。
このときの感覚であくびをすると、口の奥が広がり、リラックスした状態であくびをしやすくなります。
新しい感覚を掴むときには、ある程度オーバーにやった方がわかりやすいこともあります。
このリラックスしたあくびの状態を覚えたら、自然な表情でも同じ声が出るようにトレーニングしてみてください。
ベロの位置チェック
あくびはベロの力が入りにくい発声です。
しかし、中にはベロに余分な力が入ったままで、あくびをしてしまう人もいます。
あくびをしながら、自分のベロの位置をチェックしてみてください。
もしベロが奥に引っ込んでいるのであれば、ベロが力んでいる可能性が高いです。
舌先が前歯につくように前に出して、あくびをするように意識しましょう。
深い呼吸を意識する
浅い呼吸でのあくびの練習は、あまり効果が期待できません。
口の中のスペースも広がりませんし、リラックスした状態も作りにくいでしょう。
ぜひ深く息を吸い込んだ状態から、口や喉が広がる感覚をつかんで、声をリラックスさせてください。
胸式呼吸よりも腹式呼吸の方が、実際の歌に活かしやすいです。
深い呼吸をするためには、上半身をリラックスさせることも必要です。
首や肩をリラックスさせ、胸はリラックスした状態で豊かに広げてください。
顎の開け方を変えてみる
人の骨格はそれぞれ違い、身体の感覚も人によって異なります。
そのため、口をリラックスして開ける方法も、1つではありません。
下顎を下げた方がリラックスできる人もいれば、上顎を意識して口を上に開けた方がリラックスできる人もいます。
顎の開け方に悩みを抱えている場合は、これらの両方を試してみましょう。
高いポイントに響きを感じる
力感のない弱々しいあくびではなく、声が豊かになるあくびを探しましょう。
声の響きは、軟口蓋や頭の上部、鼻腔などといった高い位置で感じてください。
声の響きを感じる場所は、人によってそれぞれ異なります。
ご自身のボイストレーナーに聴いてもらって、状態の良し悪しを判断してもらうといいと思います。
あくびの状態でしゃべってみる
「あくびのテクニックが、実際の歌に取り入れにくい」という人は、あくびの状態で一度しゃべってみてください。
あくびの状態で話すことは、あくびの状態で歌うよりも簡単です。
あくびの状態で歌うためのファーストステップの練習として、オススメできます。
あくびでは、声が豊かに響いています。
その共鳴の状態を意識して、しゃべってみましょう。
もし響きが弱くなるようでしたら、あくびの状態ではない可能性があります。
まとめ
あくびのような状態で歌えると、声はリラックスし、自然で豊かな響きが手に入ります。
リラックスした状態を常に保ち、深い呼吸を心がけて、自然の響きの声が出るように意識してください。
うまくいかない場合は、今回紹介した7つのポイントを1つずつクリアできるようにしていきましょう。