歌唱において、呼吸は非常に重要な要素の1つです。
息をうまくコントロールできると、声量や音程が安定し、より自由に表現できるようになります。
ここでは、歌に必要な腹式呼吸についてと、腹式呼吸の練習方法について紹介します。
腹式呼吸を習得できれば、今よりさらに美しい歌声と表現が手に入るでしょう。
正しい呼吸法が、歌唱力アップに直結
呼吸は「酸素を供給」するための方法ですが、歌において呼吸はそれ以上の役割があります。
正しい呼吸をすると、呼吸は、車のエンジンのように声を押し出してくれます。
特に高い声や力強い声を出すには、安定した呼吸が必要です。
しっかりとした呼吸法の習得は、発声テクニックの向上につながると言えるでしょう。
胸式呼吸と腹式呼吸の違いとは？
日常的な呼吸法には「胸式呼吸」と「腹式呼吸」があります。
一般的に、私たちが、日常で無意識に行っているのは「胸式呼吸」です。
胸式呼吸は胸が膨らむように息を吸う呼吸方法で、長時間安定して息を吐き続けるのには向いていません。
また首周りの力が入りやすい呼吸法でもあります。
これに対して、腹式呼吸は横隔膜が活発に動く呼吸法のことで、長く安定して息を吐き続けることが特徴です。
首周りの力も入りにくい呼吸法なので、歌うときの呼吸法として非常に優れています。
腹式呼吸の仕組みとメリット
横隔膜の働き
腹式呼吸で重要な役割を果たすのが、肺の下にある横隔膜です。
息を吸うときに横隔膜が下がり、それによってお腹が膨らみます。
反対に息を吐くときに横隔膜が上がり、空気が押し出されることでお腹がへこみます。
この動きを意識しながら腹式呼吸を行うと、腹式呼吸の感覚をつかみやすくなるでしょう。
腹式呼吸のメリット
腹式呼吸が身に付くと、発声が安定するだけではなく、声量が増し響きが美しくなります。
特に長いフレーズや高音では、声をしっかりと支えられるようになるでしょう。
歌唱以外での影響を見てみると、腹式呼吸は、自律神経にも良い影響を与えます。
腹式呼吸は心が落ち着きリラックス効果も期待できるので、本番前やリハーサル前に腹式呼吸を意識すると、緊張がほぐれやすくなります。
腹式呼吸の練習方法
まずは仰向けに寝てみる
腹式呼吸の感覚を掴むために、まずは仰向けに寝てみましょう。
多くの人は、仰向けに寝た状態では腹式呼吸をしています。
初心者でもコツをつかみやすいので、ぜひ試してください。
1.仰向けに寝て、リラックスする
まずは仰向けに寝て、肩や胸など体全体をリラックスさせます。
お腹の動きを感じやすくするために、手はおへそのあたりに置きましょう。
2.お腹が膨らむように息を吸う
次に息を吸ってみます。
自然にすれば、お腹が膨らむはずです。
肩や胸は動かさずに意識して、横隔膜の動きでお腹が膨らむ動きを体感しましょう。
3.ゆっくりと息を吐き、お腹をへこませる
最後にゆっくりと息を吐いていきます。
息を長く安定して吐くと、お腹は少しずつへこんでいくはずです。
この動きが自然にできるようになるまで、繰り返し練習しましょう。
座った状態でも、腹式呼吸を練習する
仰向けで自然に腹式呼吸ができるようになったら、座った状態でも練習してみましょう。
椅子に浅く座って、背筋を伸ばし、リラックスした体の状態を作ります。
仰向けの時と同じように、息を吸うときにお腹が膨らんで、吐くときにへこむ感覚を大切にしてください。
座った状態でも、うまく腹式呼吸ができるようになると、立った状態でもスムーズにできるようになります。
イメージを大切にする
腹式呼吸がうまくいかない方は、イメージも大切にしてください。
お腹に風船が入っているイメージを持って、その風船が少しずつしぼんでいくように息を弾いてみましょう。
へその下あたりにあるインナーマッスルを感じられれば、呼吸も安定してくるはずです。
ロングトーンで腹式呼吸を実践
腹式呼吸がスムーズにできてきたら、ロングトーンで声を出してみましょう。
ロングトーン練習を繰り返すことで、呼吸のコントロールが身に付き、安定した発声が手に入ります。
ロングトーン練習は、初心者の方でも取り組みやすい練習方法です。
腹式呼吸の実生活でのメリット
リラックス効果とストレス緩和
腹式呼吸は、歌唱においてだけではなく、日常生活にも好影響を与えます。
腹式呼吸による深い呼吸で心が落ち着くので、ストレスを感じた時や寝る前などに活用すると良いでしょう。
自律神経を整えたかったり、体全体のバランスを向上させたい時も、腹式呼吸を取り入れてみてください。
緊張しやすい場面や、リラックスしたい場面で効果を期待できます。
健康促進の効果も期待できる
腹式呼吸を行うと横隔膜が活発に動くので、内臓がマッサージされて血流が良くなります。
これが体全体の健康にも良い影響を与えると言われています。
また、腹式呼吸は、集中力を高める効果があるとも言われています。
プレゼンテーションや試験前などの重要なシーンでも、腹式呼吸を意識すると良いかもしれません。
腹式呼吸を習得するためのポイント
継続してコツコツと練習する
腹式呼吸は一朝一夕で身に付くものではありませんが、ほとんどの人がマスターできる呼吸法です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、毎日少しずつでもいいので練習してください。
腹式呼吸を習慣化して、無意識にできるようにしましょう。
鏡で体の動きをチェックする
腹式呼吸ができているか確認するために、鏡で自分の体をチェックすることをオススメします。
肩や胸が動かないように意識して、お腹の動きに集中しましょう。
肩や胸が動いてなくても、力んでいたら自然な呼吸は手に入りません。
肩や胸をリラックスさせましょう。
まとめ
今回は腹式呼吸を詳しく取り上げました。
正しい呼吸で歌えると、それだけで歌声が変化する可能性があります。
声の音色が明るくなったり、響きが豊かになったり、声量があがったり、音程が安定したりするでしょう。
ぜひ腹式呼吸を実践してみてください。
Follow me!
